最近、中米を始めとする幾つかの農園で行われているアナエロビック製法(ファーメンテーション)について解説していきます。
写真のような容器にコーヒーチェリーをいっぱいになるまで投入し密閉して置いておくと、タンクの中でコーヒーチェリーが発酵し始めます。
写真では、ペットボトルの容器が細い管に繋がっていますが、ペットボトルの中には水が入っており、発生したガスはペットボトルへと出ていきます。
その際、ガスに押し出された酸素はタンクからなくなり、それによりタンク内は無酸素状態に陥りそのまま発酵させていく事をアナエロビック(嫌気性発酵)と言います。
凡そ48時間発酵させた後、中身を取り出しコーヒーチェリーを剥離し乾燥させたものをアナエロビックナチュラル若しくは、アナエロビックワイニーと呼びます。
タンクの中にコーヒーチェリーを剥離した状態で入れる場合はアナエロビックハニーとなります。
アナエロビック製法を行う主な理由は、通常のコーヒー豆に異なるフレーバーを加える事で付加価値をつける狙いがあります。
写真のように、高額な設備を必要としない為導入する農園が増えているようですが、アナエロビック製法で出来上がったコーヒーはこれまでのコーヒーとは異なり、シナモンを思わせる独特なフレーバーを感じる為インパクトが強く好みの分かれる味わいとなります。
また、この製法を更に進化させ、タンクに窒素や二酸化炭素を充填する製法(カーボニックマセレーション)等も行われており、アナエロビック製法は今後さらに発展していく可能性があります。